土地の値段は一物四価

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2018年10月31日

土地の値段は一物四価

【土地の値段は一物四価1つの土地に、4つの違った価格があることを、一物四価といいます。】+実勢価格
・公示地価・基準価格、路線価、固定資産税評価額
1)実勢価格
・実勢価格とは、実際に取引がされている土地の相場金額のことです。
土地については、同じものが二つとないため単純比較はできませんが、近隣の土地について実際に取引された事例をいくつ合わせていくことでその土地が実際に売買されるであろう価格を想定します。
取引事例については、国土交通省が発表しているサイトで確認することができます。
国土交通省土地総合情報検索
2)路線価 (相続税や贈与税を調べる) 

・相続税や贈与税を計算するために、国税庁が定めた金額が「路線価」です。
路線価は、市街地の土地についてのその年1月1日時点での1㎡当たりの評価額で、毎年7月に公表されます。
公示地価などがピンポイントの土地について付けた価格であるのに対して、路線価は道路(路線)ごとに価格が定められています。
その道路に面した土地の評価額を求めたい場合には、路線価に面積を掛けて算出します。
この路線価は国税庁が発表している路線価のサイトで確認ができます。
財産評価基準書|国税庁
3)公示地価、基準地価(資産価値 を知る)
この公示地価は、国土交通省が全国の都市計画区域内の一定の場所(標準地)について毎年1月1日時点での金額を評価したもので、その評価基準は、売り急ぎや売り惜しみなどの特殊事情のない「自由な取引において通常成立すると思われる価格」というものです。
また、各都道府県が毎年7月1日時点での価格を評価した「基準地価」と言うものもあります。
こちらも、その評価基準はほぼ同じであり、違いは評価の対象となる土地の所在地と評価の時点と言うことです。
公示地価・基準地価については、それぞれ国土交通省のサイトで確認することができます。
標準地・基準地検索システム|国土交通省
4)固定資産税評価額(固定資産税などの計算)
・「固定資産税評価額」とは、市役所などの自治体が管轄内の不動産について独自に評価をした金額です。
固定資産税評価額は、固定資産税のみならず、登録免許税や不動産取得税額の計算にも用いられる上に、路線価の設定されていない市街化区域以外の土地の相続税の評価にも用いられます。
実務上は、所有者から委任状をもらい自治体の窓口で「固定資産評価証明書」の交付を受けることでその金額を知ることが出来ます。
【4価の価格関係】
・実勢価格(100%)=公示価格(80%)----路線価格(70%)---固定資産税評価額
・実際の取引事例はその時々の売り手買い手の事情もある上、相場の変動などにより実勢価格と公示地価や基準地価とに差は生じます。
・しかし、税務署は、親子間など特殊な関係者間の土地の売買をする際の適正な地価としてこの公示地価水準を有力な根拠としています。
つまり、公示地価≒実勢価格と考えて良いでしょう。
・この路線価は公示地価の概ね80%となるように設定がされています。
・つまり、その土地の路線価を80%で割り戻すことで、その土地の公示価格を基準とした自由な取引において通常成立すると思われる価格を算出することが出来ます。
・また、固定資産税評価額もこの公示地価の概ね70%となるように設定がされています。ですから、その土地の固定資産税評価額を70%で割り戻すことで「公示地価ベース」の評価額を計算することが出来るのです。
・そのことから、路線価は固定資産税評価額の1.1倍(80%÷70%)程度であり、路線価の設定されていない市街化区域外の宅地については、固定資産税評価額?1.1倍とすることが多い。
・それぞれの評価額の関係を理解することで、固定資産税評価額や路線価から自由な取引において通常成立すると思われる価格や税務上問題のない適正な地価を予想するなど、別の基準での土地の評価額を推測することも可能になるのです。
【その他追記】
・崖地・旗竿地・浸水被害・ 等、固有の条件があれば、交通の便・地域特性・希少価値等考慮する必要があります
・不動産会社は通常、"成約事例"・公示価格・路線価・市況・公図・謄本・測量図" 等をもとにして、現地調査をした上で、査定します。
・固定資産税の評価額は3年に1度、評価替えをしています。今年(平成30年度)、評価替えをしています。
・古家がある場合は、取壊し費用が150~300万円万円前後かかります。築25年以上の建物は、流通市場では評価額は無しです。
【一物四価を利用して安い価格で売買させる不動産会社に注意しましょう】
例えば実勢価格が2,000万円の物件があったとする。この物件を路線価通りの3,000万円で売りたいという相談を仲介会社にした場合、
「確かに路線価からしても3000万円が妥当ですね」
と同調し、ひとまず一社で媒介するための専任媒介契約を売主からもらうことを優先するのだ。
結局3,000万円では売れないので、売主は不安になる。そこで、仲介会社は、
「近隣の制約事例からすると、実勢価格は1,700万円ぐらいなのでこの金額まで下げましょう!」
と言葉巧みに誘導するのだ。その結果、当初からすると信じられないぐらいの値引きにも応じてしまう人がいるのだ。
仲介会社からすると、最初は売却希望者の意のまま3,000万円で売却することを条件に、一社にしか依頼できない「専任媒介契約」をまず取ることを優先しているのだ。
そして、予想通り3,000万円では決まらないので、不安がる売却希望者を煽って値段を下げさせ、最終的には売りやすい価格でさっさと売り抜けさせることを行う。
そうすれば、2,000万円の売り出し価格で一般媒介の一社として入るよりも、格段に成約率は上がる。
しかし売主としては、2,000万円で売れるはずの土地が、結局1,700万円でしか売れなかったことになる。あとから気付くかどうかはわからないが、適切な価格で売却することには失敗したことになる。
不動産売買を行うときの適切な価格を算出するには、実勢価格を参考にするしか方法はないのだ。
不動産売買に絡む営業マンなどから、実勢価格以外の価格を、妥当性の根拠として言われた場合は、「それはおかしいのではないか」と考えるようにしないといけない。
株式会社 大福 03-3997-0822
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